紙の文化を守るために、製本所としてできること
2025.03.05
- 社長のひとりごと
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先日、またしても製本所の廃業の知らせを聞きました。長年、共に歩んできた仲間が姿を消すのは、本当に寂しい限りです。出版不況、デジタル化の波…製本業界を取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。
いま、業界全体にとって大きな岐路だと感じています。弊社も、決して他人事ではありません。相当な危機感を持って、この状況に立ち向かわなければならないと、思いを新たにしました。上製本の魅力を一人でも多くの方に知っていただくために、これからも努力を続けていきたいと考えています。
上製本だからこそできること。それは、記念誌、社史、写真集、俳句集・短歌集などに最適な品格、高級感、重厚感、そして特別な雰囲気を醸し出すことではないでしょうか。その美しさと耐久性は、大切な思い出や作品を未来へと繋ぐのにふさわしい製本技法です。デジタル化が進む現代だからこそ、手に取ったときの重みや質感が持つ価値が、より一層際立つと感じています。
常に新しい挑戦を続けていくこともまた、紙の文化を守るために必要なことです。弊社では、上製本の技術を活かしたノートブランド「HONcept」や御朱印帳ブランド「くくりむ」の立ち上げをはじめ、ロフト様への販路拡大、OEM書籍の受注、幅広いノベルティ制作への対応など、さまざまな取り組みを進めています。一見「製本」から離れているように思えるかもしれませんが、これらはすべて製本技術の応用であり、紙の可能性を広げるための挑戦なのです。
紙の可能性を追求すること。それは簡単なことではなく、奥深く、常に模索し続けなければならない課題です。出版不況の中でも、私たちにできることはまだあるはずだと信じています。
上製本を手掛ける製本所は年々減少していますが、弊社は上製本に特化した製本所として、技術の継承と品質の維持に努めています。 上製本の技術が失われつつある今、紙の文化を守り続けるために、社員一丸となって、この厳しい時代を乗り越えていきたいと思います。
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