製本所ってどんなところ?──本ができるまでの裏側
2025.04.30
- 社長のひとりごと
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「製本所って何をしているの?」
そんな声を時々いただきます。
実際、本を手に取るときに、印刷や製本について意識する方は少ないかもしれません。
しかし、本が“読めるかたち”として仕上がるには、製本所の仕事が欠かせません。
このブログでは、東京都文京区にある新里製本所の視点から、製本所が担う役割や、本ができるまでの流れをわかりやすくご紹介します。
■製本所は「本を仕上げる」場所です
製本とは、印刷された紙を綴じ、表紙をつけて、本のかたちに整える作業です。
印刷会社がデータを紙に印刷するのに対し、製本所はその紙を「製品=本」に仕上げる工程を担います。
製本にはさまざまな種類があります。私たち新里製本所では、並製本をはじめさまざまな製本に対応しておりますが、上製本(ハードカバー)技術に定評があり、ご指名でご発注いただくことが多いです。今回はその視点で本ができるまでの流れを説明してみます。
本ができるまでの基本工程
一般的な上製本の製本工程は、以下のような流れです。
- 印刷物の受け取り・検品
印刷の状態、面付け、用紙などを確認 - 折り・丁合
ページごとに紙を折り、正しい順に並べる - 綴じ(糸かがりや無線綴じ)
本文をしっかり綴じて、ひとまとまりに。読みやすさにつながる重要な工程 - 表紙の加工(クロス貼り、箔押し等)
デザインと素材に応じて丁寧に仕上げる。本の第一印象はここで決まります! - 製本(表紙と本文を合体)
本として完成させる工程 - 断裁・検品・梱包
仕上げ処理を行い、出荷に備える
このように、製本所の仕事は単なる「綴じる」作業ではなく、本の品質と印象を左右する重要な工程が多く含まれています。

上製本の制作 新里製本所の作業風景(文京区)
■製本が左右する「使いやすさ」と「信頼感」
私たち新里製本所では、製本の品質がそのまま本の信頼性につながると考えています。
例えば:
- ページがきれいに開くか
- 長く保管しても壊れにくいか
- 表紙の手触りや強度がどうか
これらはすべて、製本によって決まります。
“本らしさ”を決める最後の工程が製本なのです。
また、表紙の加工や素材選びも、製本の印象を大きく左右します。
新里製本所では、アパレル生地などの素材を使用した表紙づくりにも対応しており、
見た目の美しさや手触りの良さなど、“手に取りたくなる本”を形にする技術も追求しています。
■本を支える、静かな技術
製本所は、目立つ存在ではありません。
ですが、本の読み心地、耐久性、使いやすさといった「見えない価値」を支える存在です。
新里製本所では、創業以来90年、文京区という「本づくりのまち」に根ざしながら、
本を最後まで丁寧に仕上げる仕事を続けてきました。
■まとめ|製本所の役割を、もっと身近に
製本所の仕事は、本づくりの中で最終工程を担い、完成のかたちをつくります。
今後のブログでは、上製本の技術や、オーダー製本の実例などもご紹介していきます。
「製本」という仕事に、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
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