束見本を有料化する理由について “当たり前”を見直す、小さな決意です。
2025.10.10
- 社長のひとりごと
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いつも新里製本所をご愛顧いただき、ありがとうございます。
このたび、「束見本(つかみほん)」の製作を有料対応とさせていただくことにいたしました。
このことについて、今日は少し、私たちの「ものづくりの在り方」について書かせてください。
■ “無料が当たり前”だった時代の名残
束見本とは、実際の本と同じ紙や厚みで仕立てた試作見本のこと。
ページ数や紙厚を確かめるために作るものですが、
その工程はまさに“製本そのもの”です。
製本の世界では長く「束見本は無料で作ってもらえるもの」という考え方が続いてきました。
けれど実際の束見本づくりは、
職人が紙を折り、背を丸め、糊を引き、表紙を貼り、
一冊の“本”として仕上げる工程です。
つまり、私たちにとって、束見本とは単なる試作品ではなく、
職人の技術と時間が詰まった“製本そのもの”なんです。
■ 技術に、正しい価値を
私たちは、この仕事に込められた手間と技術の価値を
きちんと可視化したいと考えました。
「無料だから頼みやすい」よりも、
「その価値を理解してくださる方と、誠実に向き合う」。
その方が、お互いにとって信頼でつながる関係だと思うのです。
この考え方を、これから大切にしていきたいと思っています。
■ 未来へつなぐために
束見本の有料化は、
ものづくりを支える職人たちの技術を守るための一歩です。
そして、“本をつくる”という文化を
次の世代へ正しく引き継いでいくための決断でもあります。
これからも、束見本を通して本の形や質感を確かめながら、
お客様と一緒に「より良い一冊」を作る時間を大切にしてまいります。
どうかこの想いを、温かく受け止めていただけたら幸いです。
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